高分子分析研究懇談会2000年度総会ならびに第304回例会 報告


 簡易保険会館「ゆうぽうと」において,去る3月21日13時30分より高分子分析研究懇談会の2000年度総会ならびに第304回例会が50名強の参加者を得て開催された。総会においては,はじめに昨年度の幹事委員長であった,高山 森氏(アクトリサーチ)から1999年度の活動総括が報告され,次いで2000年度の新幹事の推薦と承認が行われた。続いて,新会長寺前紀夫氏(東北大院理)が「会員にとって有意義な活動を活発にしていきたい」との挨拶を行った後,新幹事委員長 大谷 肇氏(名大院工)から2000年度活動方針として,「21世紀に向けた活動へ」と「高分子分析研究懇談会40周年を記念した講演会の開催および活動記録の編繁」が表明された。
 例会では,はじめに寺前先生から,参加者が2万人であったという“PITTCON2000"の参加報告があった。次いで大谷先生による「MALDI TOF-MSによる合成高分子のキャラクタリゼーション」の議演が行われた。MALDI TOF-MSは合成高分子の分析法とし脚光を浴びており,昨年12月にイタリアCataniaで行われた“Work Shop on Mass Spectrometry of Polymers"でも話題の中心であったことがまず報告された。そしてポリオキシメチレンの詳細な構造について,Pyro-GCやNMRなどとは異なった観点からの解析が可能であるというご自身の研究や,そのほかの具体例を詳細に紹介していただいた。さらに,コーヒーブレークの自由討論時間をはさんで,「NMRによる高分子のキャラクタリゼーションの最近のトピックス」と題して,大阪大学の右手浩一先生より,最新のNMR手法による高分子分析についてご講演いただいた。このところ注目を集めているcritical adsorptton pointにおける液体クロマトグラフィー(LC-CAP)とNMRをオンラインで組み合わせ,タクティシティーにより分離されたPMMAの立体規則性分布を詳細に解析した研究が紹介された。またパルス磁場勾配NMRを応用した,試料の拡散係数とケミカルシフトによる二次元NMR;dimsion_。rdered NMR(DOSY)によって,高分子構造の分子量依存性を解析する最新の成果についてもお話された。
 それぞれの講演後に活発な質疑も変わされ,年度初めにふさわしい充実した内容の例会であった。

〔昭和電工働(株)総合研究所 吉川克行〕


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