第365回例会開催のご案内

第365回例会を下記のように開催致します。万障繰り合わせの上、是非ご出席いただきますようご案内申し上げます。

(申し訳ございませんが、例会への参加は高分子分析研究懇談会の会員の方のみとさせて頂きます。)



主催 (社)日本分析化学会 高分子分析研究懇談会
日時 2012年12月10日(月) 10時25分〜16時55分
場所 ゆうぽうと6階「花梨の間」
    (電話03-3490-5111,JR山手線五反田駅下車徒歩5分)
    

プログラム
開会のあいさつ (10:25〜10:30)         (産総研) 衣笠 晋一

講演1
(10:30〜11:30)
「NMRを利用した包括的メタボローム解析」
(産総研) 根本 直

 
NMRを用いた混合物の計測は,網羅性を重視する質量分析を利用したメタボローム解析に対して包括的メタボローム解析と呼んでいる.混合物にロック溶媒や内部標準を添加するだけで測定できるので前処理はほとんど不要,分離分析には不向きな試料にも適用することができる.複雑なスペクトルの解釈をすることなく「データ分布の構造」を観察することで情報の抽出を行い,研究開発のナビゲーションを行う.可視化には統計解析を用い,変数選択によって興味深い分布とその特徴空間を与える因子を探しだす探索的技術であり,しばしば意外な可能性を教えてくれる.
この簡単にできる独自のインタラクティブ解析の原理から応用例を紹介したい.

ワークショップ1
(11:30〜12:00)
「熱分解GC/MSに多変量解析を適用したEPDMの共重合組成分析」
(豊田合成(株)) 北瀬 恵

 EPDMはポリマー主鎖に不飽和結合を含まないため耐熱性,耐候性,耐オゾン性に優れており,このような特性を活かして多くの自動車用部品に用いられている.EPDMの共重合組成は材料特性と密接な関係があり,NMR法により求められてきた.しかし,試料調製や測定に時間がかかり,また加硫ゴムの場合は測定できないといった問題があった.一方,熱分解GC法は迅速・簡便であるが,連鎖分布を反映した複雑なパイログラムを与えるため解析は容易ではない.
 本講演では,熱分解GC/MSパイログラムを多変量解析によって解析することで,EPDMの共重合組成を求める方法を検討したので紹介する.

休憩(12:00〜13:00)

講演2(13:00〜14:00)
「ナノ有害性評価における液中特性解析」         
(産総研) 加藤 晴久


 近年,ナノ粒子により危険性が危惧されており,この問題を受けてヨーロッパ議会(EC)による規制上のナノマテリアルの公式定義に関する勧告がなされた.このような背景を受けて,ナノ材料の有害性評価は様々な研究機関やナノテク企業において実施されている. また,ナノ有害性評価を精確に実施するためには,評価対象のより信頼性ある液中キャラクタリゼーションは非常に重要な要素であり,その重要性は国際的な共通認識と変化してきている.
 そこで本講演では,産総研においてナノ有害性評価と同時並行的に開発された液中ナノ材料の特性解析手法を紹介するとともに,最近のナノ有害性に関係する社会情勢を紹介する.

ワークショップ
(14:00〜14:30)
「P&T-GC/MSによる高分子材料中過酸化物架橋剤および加硫促進剤の分析」
((株)フジクラ) 鈴木 大輔

 
電力ケーブル絶縁体やシール用エラストマの架橋には,有機過酸化物架橋剤が用いられています.これらの材料中に残存する架橋剤残渣の定性・定量には 溶媒抽出-GC/MS法が用いられてきましたが,サンプリングと抽出に時間と手間が掛かるため,前処理不要の簡便な手法としてP&T-GC /MS法をによる分析を検討しました.また,同様に加熱によって目的成分を抽出する手法である熱抽出-GC/MSおよびTG/DTA-GC/MSとの 比較を行いました.さらに,加硫促進剤についても同様の手法での分析を試みました.

休憩
(14:30〜14:45)

講演3(14:45〜15:45)
「ポリマクロモノマーのキャラクタリゼーション」
(京都大学) 中村 洋

直鎖末端に重合官能基を導入したマクロモノマーを再重合したポリマクロモノマーは側鎖密度の非常に高い櫛型高分子である.このポリマーは側鎖間の反撥相互作用により,溶液中で剛直鎖として振舞うことが知られている.我々はこれまでにポリスチレン(PS)-g-PS,PS-g-ポリイソプレン(PI),PI-g-PSなどの種々のポリマクロモノマーを合成し,そのキャラクタリゼーションをおこなってきた(A-g-BのA,Bはそれぞれ主鎖,側鎖の構造を表す).
 その結果について概説し,ポリマクロモノマーの化学構造と分子特性との関連について解説する.

講演4
(15:55〜16:55)
「合成高分子鎖お高分解能原子間力顕微鏡観察」
(山形大学)  熊木 治郎

 高分子の研究は,従来様々な測定法で検討が行われてきたが,今日では,原子間力顕微鏡の発達により,高分子を分子鎖レベルで直接観察することが可能になっている.本講演では,主として高分子単分子鎖を用いた高分子の分子鎖レベルの観察結果について,我々の研究結果を中心に紹介したい.「百聞は一見に如かず」という.高分子鎖を直接観察することで,従来のバルクの測定では分からなかった様々な情報が得られることを実感して頂ければ幸甚である.




 




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