第360回例会開催のご案内


第360回例会を下記のように開催致します。万障繰り合わせの上、是非ご出席いただきますようご案内申し上げます。

(申し訳ございませんが、例会への参加は高分子分析研究懇談会の会員の方のみとさせて頂きます。)



主催 (社)日本分析化学会 高分子分析研究懇談会
日時 2011年12月6日(火) 13時20分〜16時55分
場所 ゆうぽうと6階「花梨の間」
    (電話03-3490-5111,JR山手線五反田駅下車徒歩5分)


プログラム

開会のあいさつ (13:20〜13:25)     (旭化成(株)) 大関 博

講演1(13:25〜14:25)

「高分子の伸長結晶化による“ナノ配向結晶体”発見 ―構造・物性と高性能化―」
(広島大学大学院総合科学研究科) 彦坂 正道、岡田 聖香

高分子結晶化ではひも状分子鎖の滑り拡散や絡み合い等の“トポロジー的本性”が重要な役割を果す。高分子融液を伸長出来るならば結晶化と構造・物性は一変するであろう。しかし融液伸長は困難だった。我々は最近「高分子融液を押しつぶす」というアイデアにより強い融液伸長結晶化に成功した。伸長ひずみ速度()を増大すると、ある臨界の*)を超える(超臨界伸長)と「ナノ配向結晶体(nano oriented crystals, NOC)」が生成することを発見した。本講演の目的は、超臨界伸長結晶化で高分子の構造・物性が著しく変わってNOCが生成し高性能化すること、NOCが生成することが普遍的事実であることを示し、伸長結晶化メカニズムを提唱することである。

ワークショップ1(14:30〜15:00)
「ポリマーの安全性とは?」
((株)クラレ) 嶋村 三智也


  欧州REACHの施行や国内化審法の改正等、化学物質のヒトの健康と環境・生態系への影響に視点を置いた規制・管理が国際的に強化されつつある。一方、一定の基準を満たす高分子量物質は健康や生態系に対して「安全」であると判断され、毒性試験データの提出等の義務が免除される。これは、高分子は生体組織内に浸透し難いという理由に基づく。しかし、我々の生活において使用されるポリマー製品は高分子と低分子の混合物であり、製品の安全性を考える場合には、製品からの低分子の溶出や製品のライフサイクルで起こる事象を考慮する必要がある。本講演では、ポリマーの安全性について法律的な側面と実用面での課題や事例について解説する。

ワークショップ2 (15:15〜15:45)
「誘導体化法を組み合わせた1H,19F-NMRおよびDOSYによるカルボン酸や水酸基を有するポリマーの構造解析」
((株)カネカテクノリサーチ) 曽我部 啓介

 水酸基やカルボキシル基を有するポリマーの−COOHや−OHを直接1H-NMRで検出することは難しい場合が多く、これらが末端などに存在する場合は検出がなおさら困難である。本研究では種々の誘導体化法とNMRを組み合わせることでカルボン酸や水酸基を有するポリマーの組成と拡散係数分布を明らかにした。
 はじめにカルボキシル基を有するアクリル共重合体やアクリル/スチレン共重合体を,BSTFAによりシリル化し、PFGを併用した1H-NMRにより組成を求め、1H-DOSYにより拡散係数分布を解析した。
 また、微量しか存在しないポリ乳酸末端の水酸基とカルボキシル基を、3種類の誘導体化法と1H,19F-NMRを組み合わせて同定・定量し、さらに1H,19F-DOSYによる末端官能基の拡散係数分布を評価した。

講演2(15:55〜16:55)
「生物より産出される「キチンナノファイバー」の単離技術とその利用開発」
(鳥取大学大学院工学研究科) 伊福 伸介

 カニやエビはキチン質をナノファイバーの形状で生産し、補強材として外皮に蓄えている。我々はそれらのキチンナノファイバーをありのままに単離する技術を開発した。得られたナノファイバーは10〜20ナノと極めて細く、均一である。キチンナノファイバーは水中で均一に分散するため、様々な形状に加工することができる。キチンナノファイバーの特徴的な形状、伸びきり鎖結晶による優れた物性、莫大な表面積、加工性、生体への機能は、これまでほとんど有効に利用されてこなかったキチンの利用開発を進める上で、ブレイクスルーになると期待している。




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