第351回例会開催のご案内


第351回例会を下記の通り企画致しましたので,万障繰り合わせの上,是非ご参加いただきますようお願い申し上げます。




主催 (社)日本分析化学会 高分子分析研究懇談会
日時 2010年2月4日(木) 13時20分〜16時55分
場所 ゆうぽうと6階「花梨の間」
    (電話03-3490-5111,JR山手線五反田駅下車徒歩5分)
    http://www.u-port.jp/access.html


プログラム


講演1(13:20〜14:20)
「クロマトグラフィー法および振動分光法を用いた燃料電池用電解質膜の劣化に関する解析」
(旭硝子株式会社中央研究所)  川原 健吾


 本講演では、サイズ排除クロマトグラフ法および高速液体クロマトグラフ/質量分析法を駆使して、新たに提案した過酸化水素ガス劣化加速試験法によって得られたモデル化合物および実試料の分解物を詳細に解析することによって、パーフルオロスルホン酸ポリマーの分解機構を解明したので報告する。また、電池運転により電解質膜中のカソード近傍にPt粒子が析出するPtバンドは広く知られる現象であるが、Ptバンドと電解質膜劣化の因果関係は明確ではなかった。IRイメージング法を適用することで、Ptバンド付近での顕著な劣化は認められず、Ptバンドと電解質膜劣化に関連性がないことを明らかにしたので、あわせて報告する。

ワークショップ1(14:30〜15:00)
「硫酸液液抽出を前処理とするポリマー中のHALSの選択的・包括的分析法の開発」
(且O菱化学アナリテック) 佃 由美子


 未知試料中の添加剤の定性分析は、溶媒抽出等でポリマーから分離・濃縮した区分をHPLC等で分離し、IRやMSで定性するのが一般的スキームであるが、構造が多岐にわたる各種添加剤混合物を、1回のクロマトで分析するのは容易ではない。前処理で、例えば、ヒンダードフェノール類、ヒンダードアミン類、有機リン化合物類と構造に応じた選択的・包括的なグループ分けを行い、各グループごとにクロマト分析に供するような分析スキームが望ましい。この一環として、分析しにくい添加剤の代表であるHALSの選択的・包括的分析法の検討を行った。
具体的には、ポリマーを溶解したデカリン溶液からHALSを希硫酸で抽出した後、この希硫酸層を中和、続いてクロロホルム層へHALSを移し、各手法を用いて定性する手法を確立した。

ワークショップ2 (15:15〜15:45)
「天然高分子材料“漆”の分析」
(明治大学理工学部) 本多 貴之


 漆は日本において古くから用いられてきた材料であり、現状において判明しているだけでも約9000年前にさかのぼる。その用途も、土器の飾り付けや補強、修復など多岐にわたることも判明している。その後も、寺社などの建造物や漆器といった日用品に渡るまで数多くの場面で利用されてきた。これは、“漆”が天然物でありながらも非常に強固かつ、美しい塗膜を形成することがその原因であることは容易に想像がつく。しかしながら、漆は様々な成分の混合体である上に、形成される高分子の構造は3次元網目構造を形成するため、その分析手法は限られたものとなってしまう。
 今回の発表では、分析対象としての“漆”についてのこれまでの研究事例を報告すると共に、今後どのような課題があるのかについて発表を行う。

講演2(15:55〜16:55)
「プラスチックフィルムの表面処理の現状と処理状態の解析」
(金沢工業大学) 小川 俊夫


 プラスチックフィルムはプラスチック製品の最も多く消費されている形態である。しかも、最近では積層して使われる例が圧倒的に多くなっている。また、金属等との接着の例が増加している。これには接着剤を用いて接着しなければならないが、ポリオレフィンなどの極性の小さいポリマーでは表面処理なしには接着が起こらない。表面処理の方法にはコロナ処理、低温プラズマ処理、火炎などの物理的処理法の他に、グラフト化やシランカップリング剤処理といった化学的処理法も多く採用されている。本講演ではこれらの手法の概要を述べるとともに、表面処理によって表面はどのように変化しているのか、文献と演者らの研究例を紹介したい。




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