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第55回高分子分析技術講習会のご案内


第55回高分子分析技術講習会(前期:基礎編)

高分子分析には,一次構造に分布のある高分子化合物の構造解析から高分子材料中の添加剤分析に至るまでの幅広い分析技術が必要とされます.また,高分子特有の物性のために低分子化合物の分析とは異なるコツが必要になることもあります.
本講習会では,“高分子を分析するための技術”に関する講義を前期・後期の2回に分けて行っています.
前期:基礎編では,高分子分析の初級者を対象として,実用的で基礎的な内容について講義します.理解を助けるための演習も行います.また,各講義の最後の5分は質疑応答の時間として可能な限り個別の質問にもお答えします.
後期:応用編では,中級〜上級者を対象として,より実践的な内容について実際の分析例を交えて講義をします(2018年3月予定).

主催  (公社)日本分析化学会・高分子分析研究懇談会
協賛  (公社)日本化学会 (公社)高分子学会
期日  2017年8月28日(月)・29日(火)
会場  明治大学グローバルフロント・グローバルホール
    東京都千代田区神田駿河台2丁目 神田駿河台1-1
    http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/access.html
  交通:JR中央線・総武線,東京メトロ丸ノ内線/御茶ノ水駅 下車徒歩約3分
     東京メトロ千代田線/新御茶ノ水駅 下車徒歩約5分
     都営地下鉄三田線・新宿線,東京メトロ半蔵門線/神保町駅 下車徒歩約5分


【プログラム】
第1日(8月28日)
1.高分子分析概論(10:00〜11:30)
〔名古屋工業大学〕 大谷 肇
高分子材料は,その主成分である高分子とともに多くの添加剤や不純物を含み,高分子成分自体も複雑な分子構造と多様な集合状態を持っている.高分子分析は,こうした点にまで立ち入った幅広い解析を必要としている.そのためには,高分子そのものについての幅広い知識と分析手法についての知識の両面が必要とされる.本講では,高分子分析に必要とされる高分子の基礎知識と高分子分析法の概要について解説する.

< 昼休み >(11:30〜12:30)

2.高分子分析のための前処理技術(12:30〜14:10)
〔鞄激激潟Tーチセンター〕 佐藤信之
高分子材料の有機組成分析において,分析の成否は分析機器に導入するまでの試料の前処理の適不適や巧拙に依存するところが少なくない.粉砕,溶解,抽出,濃縮・乾燥,分離,加水分解・誘導体化などの前処理の各要素技術について実務上の注意点を交えて解説し,簡単な分析例も紹介する.

3.ガスクロマトグラフィー及び質量分析法による高分子分析(14:20〜16:20)
〔中部大学〕 石田康行
ガスクロマトグラフィー(GC)は,その原理からして最高約400℃程度までの分離カラム温度で,数torr以上の蒸気圧を持ち得る化合物に適用が限定されている.一方,通常の高分子材料は,添加剤等の低分子量成分を除けば,通常は蒸気圧を持たない高重合体で構成されているためそのままではGC分析の対象とはなり得ない.したがって,これらに対しては,化学分解・熱分解による生成物をGC分析して,組成分析や構造解析が行われる.一方,質量分析法(MS)も,昨今のマトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)- MSの開発などにより,従来は測定対象とみなされなかった高分子量物質についてもその質量スペクトルを得ることが可能になってきた.そこで本講では,熱分解GCの特徴,操作上の注意点および主な適用例などを解説し,さらにMSによる高分子分析についてもその概要と最近の進歩を概説する.

4-1.核磁気共鳴法による高分子分析(1)(16:30〜17: 20)
〔徳島大学〕 平野朋広
核磁気共鳴法(NMR)では化学構造(官能基の種類,隣接基など)に関する情報が得られることから,有機化合物の分析手法として広く活用されている.高分子材料においても,繰り返し単位の構造や末端基(開始剤断片),立体規則性,共重合体の組成,共重合連鎖の解析などに有用で欠くことのできない分析法である.そこで本講では,まず低分子のスペクトルを用いて1H,13Cおよび2次元NMRスペクトルの読み方(帰属の仕方)を解説し,その後で高分子の溶液NMRについて実際の分析事例を紹介する.測定原理や測定条件,データ処理等の詳細については,後期(応用編)で解説する予定である.

第2日(8月29日)
4-2.核磁気共鳴法による高分子分析(2)(9:00〜10:00)
〔徳島大学〕 平野朋広
前日の続きを行う.

5.液体クロマトグラフィーによる高分子分析(10:10〜12:10)
〔工学院大学〕 川井忠智
高分子の液体クロマトグラフィーは,複雑な多分散性を有する高分子材料の解析に有効な分析手法です.前期基礎編においては,分子量測定ならびに分子量分布の解析に用いられているサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を中心に,化学組成分布の解析に用いられる溶離液グラジエント高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)についても,特徴ならびに測定の留意点や問題点についての基本を解説します.なお,実務上での注意点や特殊ポリマーの解析など,より高度な解析については,後期にて解説します.

< 昼休み>(12:10〜13:20)

6.高分子の熱分析と熱物性(13:20〜15:00)
〔東京工業大学〕 森川淳子
熱物性はあらゆる材料で重要なパラメータであるが,特に製造から加工まで,熱が重要な役割をはたす高分子材料ではいろいろな局面で熱分析が用いられる.本講義では,熱分析の代表が示差走査熱量計(DSC)であることを踏まえて,温度変調法を含むDSCの原理と応用を解説する.加えて,放熱性,断熱性,蓄熱性など高分子の熱的特性の高度の利用においては,熱伝導率・熱拡散率測定法を複合的に使用する頻度が高くなっており,これらの測定法についても概説する.分析技術では重要な標準化についても解説する.


7.赤外分光法による高分子分析(15:10〜17:10)
〔京都大学〕 長谷川 健
FT-IRを用いた赤外分光法は,分子のコンフォメーション,結晶性,配向,分子間相互作用などを単分子膜レベルの試料で精度よく議論可能な,線形分光法ならではの分子情報量と測定感度の両面で抜きんでた分光分析方法である.界面や薄膜を対象とした分析に,特に優れた威力を発揮し,高分子薄膜によるデバイスの構造把握などに強力で,X線分析と相補的な役割を果たす.特に定量的に高精度な測定や議論が“官能基単位で”できるという利点まで考えると,赤外分光法は高分子分析の筆頭に立てるほどの実力を持つと言える.しかしFT-IRの普及と相反して,残念ながら赤外分光法のこうした威力はほとんど忘れ去られている.本講習では,赤外分光法の本質をゼロベースで解説し,FT-IRを使いこなそうと本気で思える基礎概念を学ぶ.特に,以下の3つの項目について解説する.
1)基準振動とグループ振動,
2)バルク試料と界面・薄膜測定の方法と電磁気学的表現,
3)定量的スペクトル解析の入門

講師の都合により,講義の順番を入れ替えました

【受講申込要項】
受講料
高分子分析研究懇談会会員:25,000円
日本分析化学会および協賛学会会員:30,000円
会員外:45,000円
学生:10,000円
受講料はすべて税込みです.日本分析化学会会員には,維持会員,特別会員,公益会員を含みます.特別会員または公益会員の場合は,1名のみ会員扱いとします.
なお,納入された受講料の返却は致しませんのでご了承願います.
(高分子分析研究懇談会への入会を検討される方はこちらから)

募集人員  100名

申込方法
参加申込フォームに必要事項をご記入のうえ,お申し込み下さい.請求書,振込依頼書および会場案内図を別途郵送いたします.なお,テキストは入金確認後,会期1週間前に発送の予定です.
各分析法に関して質問および技術相談がある場合は,申込み時に事前質問事項欄へご記入下さい.各講師が可能な範囲で対応いたします.

申込締切  2017年8月7日(月) 終了しました

問い合わせ先
徳島大院理工 平野 朋広
E-mail:pacd-koushu@pacd.jp(送信時に@を半角に変えて下さい)




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