第49回高分子分析技術講習会(前期:基礎編) 



主催
  (社) 日本分析化学会高分子分析研究懇談会
協賛  (社) 日本分析化学会 日本化学会 高分子学会
期日  2014年8月28日(木)・29日(金)
会場  工学院大学 新宿キャンパス 5階A0542教室〔東京都新宿区西新宿1-24-2〕
       交通:JR中央線「新宿」駅西口より徒歩5分、大江戸線「都庁前」駅徒歩1分
          http://www.kogakuin.ac.jp/map/shinjuku/

【プログラム】

第1日(828日)

1.高分子分析概論 (10:0011:30)
〔名古屋工業大学〕 大谷 肇

高分子材料は,その主成分である高分子とともに多くの添加剤や不純物を含み,高分子成分自体も複雑な分子構造と多様な集合状態を持っている。高分子分析は,こうした点にまで立ち入った幅広い解析を必要としている。そのためには,高分子そのものについての幅広い知識と分析手法についての知識の両面が必要とされる。本講では,高分子分析に必要とされる高分子の基礎知識と高分子分析法の概要について解説する。

< 昼休み > (11:3012:30

2.高分子分析のための前処理技術 (12:3014:10)
〔鞄激激潟Tーチセンター〕 佐藤信之

高分子材料の有機組成分析において,分析の成否は分析機器に導入するまでの試料の前処理の適不適や巧拙に依存するところが少なくない。粉砕,溶解,抽出,濃縮・乾燥,分離,加水分解・誘導体化などの前処理の各要素技術について実務上の注意点を交えて解説し,簡単な分析例も紹介する。

3.核磁気共鳴法による高分子分析 (14:2016:30)
〔徳島大学〕押村美幸

核磁気共鳴法(NMR)では化学構造(官能基の種類,隣接基など)に関する情報が得られることから,有機化合物の分析手法として広く活用されている。高分子材料においては,繰り返し単位の構造や,末端基(開始剤断片),立体規則性,共重合体の組成や連鎖の解析などに有用である。そこで本講では,まず低分子の1H13Cおよび2次元NMRスペクトルの読み方(帰属の仕方)を解説した後,高分子の溶液NMRについて実際の分析事例を紹介する。測定原理や測定条件,データ処理等の詳細については,後期(応用編)で解説される予定である。

<2日目の講義の内容紹介 > (16:3016:45

第2日(829日)

4.ガスクロマトグラフィー及び質量分析法による高分子分析 (9:3011:30)
〔中部大学〕 石田康行

ガスクロマトグラフィー(GC)は,その原理からして最高約400程度までの分離カラム温度で,数torr以上の蒸気圧を持ち得る化合物に適用が限定されている。一方,通常の高分子材料は,添加剤等の低分子量成分を除けば,通常は蒸気圧を持たない高重合体で構成されているためそのままではGC分析の対象とはなり得ない。したがって,これらに対しては,化学分解・熱分解による生成物をGC分析して,組成分析や構造解析が行われる。一方,質量分析法(MS)も,昨今のマトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)MSの開発などにより,従来は測定対象とみなされなかった高分子量物質についてもその質量スペクトルを得ることが可能になってきた。そこで本講では,熱分解GCの特徴,操作上の注意点および主な適用例などを解説し,さらにMSによる高分子分析についてもその概要と最近の進歩を概説する。

< 昼休み > (11.3012.30

5.液体クロマトグラフィーによる高分子分析 (12:3014:30)
〔潟鴻塔rック〕 後藤幸孝

液体クロマトグラフィーは複雑な多分散性を有する高分子材料の解析に有効な分析手法である。特に分量分布,分岐などの測定に不可欠な分析法であるサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を中心に,実試料に適用する場合の留意点や問題点を含め,基礎から応用までを解説する。

6.赤外分光法による高分子分析 (14:4017:10)
〔スペクトラ・フォーラム〕 高山 森

 赤外分析は最も手軽にかつ広範囲に使用される高分子分析法である。高分子は扱っているが赤外分析の経験が浅い方や,逆に,赤外分析は経験があるが高分子の経験は浅い方を主な対象として,@赤外吸収法の原理,A試料の性状と測定目的に応じた試料調製法ならびに測定モードの選択の仕方,B得られたスペクトルの読み方,C定量分析のための検量線作成法 について説明する。基礎編ではあるが,原理の説明よりは実用上の基本的事項の説明に主眼を置き,特に,スペクトルの読み方について注力したい。また,装置もソフトも便利になって,考えなくても一応の答えが出るような傾向が強まる中で,忘れられがちな素朴な知識やテクニックもできるだけ紹介したい。応用法については、前期は赤外分析が高分子分析に幅広く適用できるという紹介にとどめ、具体的な説明は後期に回す。

 質疑応答

 各講義の時間内で可能な限り質問にお答えします。





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