もとのページに戻る


第23回高分子分析技術講習会(前期:基礎編)


 

【スケジュール】

第1日(9月5日)

 1.高分子分析概論(10.00〜11.30)   (東北大学理学部)寺前紀夫

 [講義内容]

 高分子分析は他の素材・材料の分析とは異なり,単に組成を知り,それぞれの成分の定性・定量のみでは分析したことにはならず,主成分の高分子成分とともに添加剤,不純物などの分析を行うとともに,高分子の構造まで立ち入った幅広い解析が必要である。

 そのためには種々の化学分析法,機器分析法に精通するとともに,高分子についての幅広い知識を必要とする。本稿では高分子分析に必要とされる高分子の基礎知識と高分子分析法の概要について解説する。

<昼休み>(11.30〜12.30)

2.高分子分析のための前処理技術(12.30〜14.10) ((株)東レリサーチセンター) 八島 博

 [講義内容]

高分子の実試料の分析成否が,機器分岐にかける前の試料の前処理の適不適や巧拙に依存するとことが少なくない。粉砕,溶解,抽出,加水分解,熱分解,分別等の要素技術について解説し、紫外線硬化樹脂,磁気テープ,添加剤分析等の分析例を紹介する。

3.赤外分光法による高分子分析(14.20〜16.50)   ((株)アクトリサーチ)高山 森

 [講義内容]

赤外吸収法は最も簡便に使用される高分子分析法であるが,プラスチックは扱っているが赤外吸収法による分析はほとんど行ったことがない方や,赤外吸収法は経験があるがプラスチックを扱った経験の浅い方を主な対象として,次のような説明を行う。

 最初に,赤外吸収法の原理をごく簡単に述べ,次に,試料の性状と測定目的に応じた試料調製法並びに測定モードの選択の仕方,得られたスペクトルの解析のコツ,定量分析のための検量線作成法,といった実用上の基本的事項についてできるだけ詳しく説明し,最後に赤外吸収法が高分子分析のどんな問題に適用できるかということについて一通り触れる。

 フーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)が普及している現状を踏まえ,FTIRの利点を活かした分析法を重要視するが,高価な装置がない場合にどうするかというテクニックについても,できるだけ紹介する。

 

第2日(9月6日)

4.高速液体クロマトグラフィーによる高分子分析(9.30〜11.10)

(日化テクノサービス(株))杉谷初

[講義内容]

高速液体クロマトグラフ(HPLC)法は高分子材料の組成や分子量を分析する上できわめて有効な分析手法の一つである。このHPLC法を有効活用し,複雑な組成を持つ高分子材料を分析する上で必要な知識と具体的活用法を解説する。

  1)HPLCの概要

    装置,HPLCの基本パラメーター,分離モードの内容

  2)サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)

    SECの基本パラメーター,測定方法,分子量分析法,各種検出器の活用法,

    分取SECなど高分子分析へのSEC法活用の実際

  3)特殊溶媒系SEC

    テトラヒドロフラン以外の有機溶剤を溶離液に用いるSEC法,水系SEC法

  4)逆相系HPLC法の活用

    逆相系HPLC法の長所と短所,高分子分析への活用事例

5.核磁気共鳴法による高分子分析(11.20〜14.50)   ((株)ブリヂストン)加藤信子

 [講義内容]

核磁気共鳴(NMR)法は,フーリエ変換法と各種パルステクニックの発展,超伝導マグネットの普及に伴って飛躍的に応用範囲が広がり,感度も向上した。他の分析法に比べて化学構造に関する情報量が多く,モノマ−組成,立体規則性,分岐,連鎖分布などの構造解析に有効で,高分子分析には不可欠の技術となっている。ここでは,1Hおよび13C-NMRの基本原理,装置の概要,および高分子の構造解析における測定上の注意点とスペクトルの解析手法について,溶液法を中心に,実際の応用例に基づいて解説する。

<昼休み>(12.00〜13.00)

6.ガスクロマトグラフィーによる高分子分析(15.00〜16.40)

(日本分析工業(株))平柳滋敏

 [講義内容]

ガスクロマトグラフ(GC)は,高分子関連物質の分析になくてはならない装置の一つである。

 GCに様々な付加装置を組み合わすことにより,モノマー,溶剤,添加剤などの低分子量化合物から,プラスチックやゴムなどの高分子量化合物まで分析が可能となる。本講習会では,これらの分析を実際に行ううえで知っておきたい一般的な測定原理手法について解説するほか,熱分解ガスクロマトグラフィー(PGC)によるポリマー分析法について以下の解説を行う。

  1)PGCの測定原理

   2)PGC分析条件の設定方法と留意点

   3)PGCデータの解析方法

   4)PGCの応用事例

5)PGC−MSによる高分子熱分解生成物の帰属と高分子の特定

 

質疑応答

各講義の時間内で可能な限り質問にお答えします。 必要に応じ,各講師による相談コーナーを設けます。

【受講申込要項】

 前期は「基礎編」として高分子分析の初級者を対象として,実用的な基礎を講義します。引続き,後期は「応用編」として,応用例を中心にとした中級程度の講習会を予定しています(2002年3月)。 

 募集は前期と別に行いますが,前期に参加された事業所には割引料金が適用されます。

受講対象者  高分子分析技術の初級者を対象とします。

講習程度   高分子分析技術の初歩について解説します。


もとのページに戻る