第35回高分子分析技術講習会(前期:基礎編) 終了しました

【プログラム】
第1日(9月5日)


1.高分子分析概論(10.00〜11.30)
(工学院大学工学部)寺町信哉

 [講義内容]
  高分子材料は,その主成分である高分子とともに多くの添加剤や不純物を含み,高分子成分自体も複雑な分子構造と多様な集合状態を持っている。高分子分析は,こうした点にまで立ち入った幅広い解析を必要としている。そのためには,高分子そのものについての幅広い知識と分析手法についての知識の両面が必要とされる。本講では,高分子分析に必要とされる高分子の基礎知識と高分子分析法の概要について解説する。

<昼休み>(11.30〜12.30)

2.ガスクロマトグラフィー及び質量分析法による高分子分析(12.30〜14.10)
(名古屋工業大学大学院工学研究科)大谷 肇

 [講義内容]
  ガスクロマトグラフィー(GC)は,その原理からして最高約400℃程度までの分離カラム温度で,数Torr以上の蒸気圧を持ち得る化合物に適用が限定されている。一方,通常の高分子材料は,添加剤等の低分子量成分を除けば,通常は蒸気圧を持たない高重合体で構成されているためそのままではGC分析の対象とはなり得ない。したがって,これらに対しては,化学分解・熱分解による生成物をGC分析して,組成分析や構造解析が行われる。一方,質量分析法(MS)も,昨今のマトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)MSの開発などにより,従来は測定対象とみなされなかった高分子量物質についてもその質量スペクトルを得ることが可能になってきた。そこで本講では,熱分解GCの特徴,操作上の注意点および主な適用例などを解説し,さらにMSによる高分子分析についてもその概要と最近の進歩を概説する。

3.赤外分光法による高分子分析(14.20〜16.50)
(潟_イヤ分析センター)高山 森

 [講義内容]
  赤外分析は最も手軽にかつ広範囲に使用される高分子分析法である。高分子は扱っているが赤外分析の経験が浅い方や,逆に、赤外分析は経験があるが高分子の経験は浅い方を主な対象として,次のような説明を行う。@赤外吸収法の原理、A試料の性状と測定目的に応じた試料調製法並びに測定モードの選択の仕方,B得られたスペクトルの読み方、C定量分析のための検量線作成法 基礎編ではあるが、原理の説明よりは実用上の基本的事項の説明に主眼を置き、特に、スペクトルの読み方について注力したい。また、装置もソフトも便利になって、考えなくても一応の答えが出るような傾向が強まる中で、忘れられがちな素朴な知識やテクニックもできるだけ紹介したい。応用法は後期に回し、前期は赤外分析が高分子分析に幅広く適用できるという紹介にとどめる。

第2日(9月6日)

4.高分子分析のための前処理技術(9.30〜11.10)
(鞄激激潟Tーチセンター)佐藤信之

[講義内容]
  高分子材料の有機組成分析において、分析の成否は分析機器に導入するまでの試料の前処理の適不適や巧拙に依存するところが少なくない。粉砕,溶解,抽出,加水分解,熱分解,分別などの前処理の各要素技術について実務上の注意点を交えて解説し,簡単な分析例も紹介する。

5.核磁気共鳴法による高分子分析(11.20〜14.50)
(帝人梶j松田裕生

[講義内容]
  化学構造や組成を知っておくことは研究・開発にとって前提であり,核磁気共鳴法(NMR)は必要不可欠な分析手法として広く活用されている。本講習会では,初心者や経験の浅い方を主な対象として、合成高分子の溶液NMRについて,基礎的な事柄を実際の分析事例を取り上げながらわかりやすく講義したい。今後溶液NMRを扱っていく上で知っておくと助けになる知識を身に付けていただけるよう、実用性を重視した講義を行う。

<昼休み>(12.00〜13.00)

6.液体クロマトグラフィーによる高分子分析(15.00〜16.40)
(潟_イヤ分析センター)後藤幸孝

 [講義内容]
  液体クロマトグラフィーは複雑な多分散性を有する高分子材料の解析に有効な分析手法である。特に分量分布,分岐などの測定に不可欠な分析法であるサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を中心に,実試料に適用する場合の留意点や問題点を含め,基礎から応用までを解説する。

◇ 質疑応答
  各講義の時間内で可能な限り質問にお答えします。必要に応じ,各講師による相談コーナーを設けます。

【受講申込要項】
  前期は「基礎編」として,高分子分析の初級者を対象として,実用的な基礎を講義します。引続き,後期は「応用編」として,応用例を中心とした中級程度の講習会を予定しています(2008年3月)。募集は前期と別に行いますが,前期に参加された事業所には割引料金が適用されます。
 
受講対象者  高分子分析技術の初級者を対象とします。

講習レベル  高分子分析技術の初歩について解説します。



All Rights Reserved, Copyright (c) 2003, THE JAPAN SOCIETY FOR ANALYTICAL CHEMISTRY